【はじめに】
今年の総合内科専門医試験を受けてみよう!と思っても、試験対策についての具体的な情報は少ないです。また勤務環境によっては、周りには試験をうける先生がいなくて、勉強方法や試験対策の情報が乏しい先生方もいらっしゃると思います。実際、私自身がそうであり、とても不安で困った経験をしました。
ネット検索すると、かなり試験対策時間を要する試験勉強法や、やたらとお金がかかる勉強方法が紹介されています。時間とお金をかければ合格はできます。
しかし、臨床の最前線で働く勤務医は忙しく時間がありません。ネットで紹介されるような試験対策はできない先生方が多数と思います。
総合内科専門医試験に効率的に試験対策をして、なんとか合格したい!
試験対策、勉強方法をしりたい!
育児中、勤務医で時間がなくても、合格をしたい!
この記事では、このような先生方に向けて、私自身が行った勉強方法と試験対策を解説します!また総合内科専門医試験だけではなく、新内科専門医試験対策も同じ要領で対策できます!
私は仕事(診療の忙しさ、転勤など)の都合や、育児でなかなか時間が確保できず、悩み焦りました。何とかできる勉強をと思い、毎日少しずつの時間を確保し、最後まで諦めずに受験したところ、合格平均点を余裕で上回る点数で合格することができました。この経験を、同じような境遇で悩む先生方のお役に立てればいいなと思い記事にします。少しでも効果的、効率的に合格を目指したい先生方の参考になれば幸いです。
【目次】
- 自身が調べた勉強法、試験対策、参考書をUpします
- 試験を受ける上で重要な考え方
- 実際に行った試験対策、勉強内容
- 総合内科専門医試験の勉強の目安
- 自身が振り返る試験勉強のポイント
- ダメな勉強法
- 受験体験記も合わせて参照ください
- あわせて読みたい記事
- まとめ
自身が調べた勉強法、試験対策、参考書をUpします
①イヤーノート、クイックチェックで確認していく
②内科学会のセルフトレーニング問題を解く
③内科学会 生涯教育講演会のオンデマンド配信を視聴する
④クエスチョンバンク「総合内科専門医試験 予想問題集」を解く
⑤日本内科学会「認定内科医試験・総合内科専門試験/過去問集 第2集」を解く
⑥医師国家試験過去問の内科部分を解く
⑦JMECC 2022年内科救急診療指針を通読する
⑧試験の過去問が復元されているブログを参考にする
⑨Care Net TVで総合内科専門医試験対策のビデオを受講する
⑩総合内科専門医試験 オンライン模試を活用する
⑪病気がみるシリーズの利用する
⑫生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説 第4集
⑬内科学会誌のMCQ問題を確認する
⑭内科学会誌を読む。トピックスとガイドライン変更項目の把握する
⑮受験年度の内科学会総会(春に行われる)でトピックスを把握する
以上のような試験対策、参考書、問題集、コンテンツが紹介されていました。ただし、忙しい臨床業務の合間に、たかだか1つの専門医試験のためだけに、これら全てをこなすことはできません。また無駄に金額がかかってしまいます。
効率的に勉強をすすめる必要があります!
試験を受ける上で重要な考え方
1.目標は試験に受かり資格を取ること!!そのために試験対策をする
2.専門以外の分野を幅広く勉強する必要があり、興味がない分野でも試験対策と思い割り切る
3.限られた時間で結果を出す必要があるため、効果的に、効率的に試験対策を行うことが重要
4.皆が最低限は対策するであろう試験勉強は必ず行う
5.受験当日の最後まではあきらめない!
6.合格しそうになくても、棄権はせず、試験はうける!
以上のように、時間がない中で効果効率的に勉強し合格するためには、割り切っていく必要があります!
実際に行った試験対策、勉強内容
ここからは効果、効率的に試験に合格するにはどうすればいいのかを自身の経験を元に紹介していきます。上述の自身が調べた試験対策のうち、実際に行った試験勉強を公開します。
(初めは全て行おう!と意気揚々でしたが、仕事、転勤、子育てで疲れて、勉強時間はほとんど確保できず、実際には下記の試験勉強しか行うことができなかったのが現状です)
1)イヤーノート+クイックチェックで確認していく
イヤーノートと付属のクイックチェックを中心に各分野の基礎知識を確認していく戦略としました(イヤーノートを購入すると一緒にクイックチェックもついてくる)。
まずは受験年度の最新のイヤーノートを購入しましょう!(購入しないと試験対策が始まりません!試験時間まで時間がありませんので、すぐに行動しましょう!)
私がクイックチェックを用いた理由は、クイックチェックが一番、各分野の各疾患のチェック事項を簡潔かつ網羅的にまとめられている書物だからです。そしてイヤーノートに対応しているため、互換性が高く、使いやすいからです。また過去に内科専門医試験で出題された項目がチェックされており非常に参考になります。
自身はじっくりと試験対策をする時間の確保ができず、必要最低限の知識を、効果効率的に入れていく必要があり、クイックチェックをベースに覚えていく戦略としました。結果的には知識の整理にかなり役立ちました!
2)日本内科学会認定内科医試験・総合内科専門試験/過去問集 第2集を解く
内科学会から出版されている唯一の過去問集で、受験者は必須の参考書です。出題形式の確認のためにも必ず解きましょう。掲載されている問題の難易度としては、本番の問題よりやや簡単な問題が多い印象です。ただし、試験勉強を開始した時点では、どれも難しかったですが(笑)。試験前にこの問題集をみた時に、答えがパッと浮かぶレベルに到達することが総合内科専門医/内科専門医試験で余裕をもって合格できる目安と思います。
ただし難点としては、古い年度の過去問になってしまうことです。あくまでも参考にましょう。内科学会から、早く最新の過去問を出版してほしいですね。
3)内科学会のセルフトレーニング問題を解く
セルフトレーニング問題は認定内科医、総合内科専門医の資格更新の方法として内科学会が正式に採用しているものです。総合内科専門医試験を受験するために必要な要件になっています。このセルフトレーニングを解く目的は、Up to date対策です。つまり各分野でのトピックスを把握する目的となります。受験年度も含め、3年分は目を通しておきたいです。
4)生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説 第4集
ネットではこの問題集の勉強方法として「3週くらいすること。1週目は傾向をつかみ、ざっと問題をみて、解説を読みチェックしキーワードやポイントの確認をする。2週目から覚えていく」といった利用方法がありました。
自身は利用はしましたが、3週もできませんでした(1週しかしていません)。最後は追い詰められて、クイックチェックを少しでも覚えていくということに時間を費やしていましたから。正直、解かなくても受かります(自身は結局1週しかしていませんので意味がなかったかもしれません)。ただし、試験対策に余裕がある方はしっかり取り組んでもいいかなと思います。
5)JMECC 2022年内科救急診療指針
JMECCの分野も出題範囲です!私は内科学会のJMECCのインストラクターの資格があり基本的な知識については持っていました。本番でも結構出題があり、スムーズに解答でき時間短縮と、得点源にもなりました。
JMECCの講習では、この2冊を事前に学習します。よって「内科救急診療指針2022」と「ICLSコースガイドブック」は試験前に通読しておくと確実に得点源になります!逆に確実に得点できないと合格が難しくなる可能性があります。
6)試験の過去問が復元されているブログを参考にする
内科学会から出版されている問題集は古いこと、問題数が少ないこと、簡単な問題が多く掲載されており、あくまでも参考程度です。試験対策をする上で、過去問が非常に重要ですが、内科学会から公開されておらず、手に入れることができません。
ですが最近は、実際に試験を受けた方々が出題内容を復元してくれているブログもあるため、どの内容を、どこまで勉強をすればいいのか参考にはなります。自身の別の記事でも箇条書きにしていますので、ぜひ参考にください。
総合内科専門医試験の勉強の目安
1.まずは内科認定医試験の合格レベル(新内科専門医試験)に達することを目標にしましょう。
2.問題をみて正確に疾患が浮かぶこと。そして選択肢をみて答えが出せる程度の知識量を目指す。
3.ゴールデンウィーク頃からの勉強で間に合います。
ちょうど最新のイヤーノートが発売される時期からで間に合います!発売されたらすぐに購入し試験勉強を始めましょう!
私はなかなか試験勉強ができず、本格的には試験本番の5週間前くらいから上記を行いました・・・。
自身が振り返る試験勉強のポイント
1.クイックチェックをしっかり確認し覚えること。
これをベースに勉強しました。コツは1週目をいかに素早く進めるか。そして2週目から記憶もしつつ、進めていくこと。3週目は更に記憶をしていく。この繰り返しを試験当日までひたすら進めることです。最初は知らないことが多くペースが上がらないですが、3週目くらいになると、各分野で被っている事項や暗記できてきた項目が増え、問題集を解くスピードが格段にUpしてきます。徐々に覚えるべき項目が減っていくようになり、回転が速くなります。自身は試験前日までに、4週間でQCは3週ほど行いました。
2.試験直前まで決して諦めず、1問でも解答できるように確認する!
自身は、宿泊するホテルへのバスや新幹線移動中、ホテルにチェックアウト後~寝るまでは、ひたすらクイックチェックを中心に知識を確認しました。
この頃になると、クイックチェックの1分野にかかる時間は2時間程度でした。ひたすら繰り返しました。試験当日も早く起床し、試験が始まる前まで数時間ありましたので、ひたすらチェックです!試験当日は、会場についたあともひたすらチェックです。試験の休憩時間も解答できなかった問題の知識をひたすらチェックです!
とにかく諦めないことが重要です!
ダメな勉強法
・イヤーノートを全て読み込もうとすること。
・完璧を求めすぎること。
・試験勉強のために家族、周囲の医師、スタッフに迷惑をかけること。
・お金をかけすぎること。
受験体験記も合わせて参照ください
あわせて読みたい記事
がん診療をされている先生は、がん治療認定の取得もいい勉強になります。記事を読んでみてください!
まとめ
今回は総合内科専門医試験、内科専門医試験に最短で合格するために必要な勉強方法について、自身の経験を元に解説しました!
最低限行うべき対策さえすれば、何とかなります!皆さんの試験対策の参考に頂けましたら幸いです。